ジェット機のプラモデルを作ってみる(3)

作ってみた

ハセガワの1/72ミラージュF.1Cのキットを筆塗りで仕上げてみた、という話。ようやく完成にこぎつけることができた。塗料はアクリジョンだが、やはり考えてみた理屈どおりにはいかず、筆跡の残る仕上がりとなってしまった。同じ筆塗りならいつもやっている平筆でドバァーって塗ったほうが綺麗にできたかも知れない。ただまあ、今回は新しい方法を試してみたいという気持ちで始めたことなのでこれはこれで満足である。なにしろミラージュF.1はかっこいい。

前回までのあらすじは、 「田中克自流飛行機模型筆塗り塗装術」 という本を読んで自分でもやってみたくなったので、ハセガワのミラージュのキットかって作ってみたというお話。

まずは途中経過。一応塗装は終わりってことにして、デカールを貼り始めた。凹モールドには定番通りスミ入れをしたが、凸モールドはどうしようかということで、薄めたエナメルの黒でパネルラインを描くように仕上げることにした。細筆で凸モールドに沿って線を描くのだが、実機ではハッキリと線があるようには見えないので、黒でハッキリとは描かずところどころ濃淡を変えてそれっぽくしてみた。

色々最後にくっつけて完成したのがこれ。

少し味を出そうと思って、クレオスのフィルタリングリキッド使ってみたりしたが、思い切った表現ができず、まあ、こんなもんかという感じ。フィギュアだけは未塗装未完成なので撮影不参加。

近くで見ると苦しい部分はあるが、肉眼で見る限りはまあまあいい感じで、まあ味があるというか。凸モールドをガイドにパネルラインの描き込みは表現としてはアリじゃないかと思う。使った筆はタミヤのHF面相筆(極細)で、割と筆一本で強弱を出せるし修正は筆先にエナメル溶剤を軽く染み込ませて(筆に溶剤を染み込ませた後、ちり紙などで余分な溶剤を落とす)修正部をなでてやることで簡単にできる。今まで、凸モールドを嫌って古いキットを避けていたが、そう嫌ったものでもないと改めて認識した。少なくとも、凸モールドを何が何でも凹モールドに彫り直さなければならないと決めつける必要はないと感じた。

アクリジョンで、薄めた塗料を塗り重ねることで筆跡の出ない塗装法を試してみたが、これに関してはまだまだ練習の必要があると感じた。まず、アクリジョンは隠蔽性が低く薄めてしまうと色が殆ど乗らない。そのため、焦ってボテッと色を乗せてしまいがちだが、そうすると塗料の粘性が想像以上に低いので、少し傾けるだけで簡単に垂れてしまい後で修正が必要になる。そのため、色がつかなくてもいいから最低限の膜厚を心がけるようにしたほうがいい仕上がりになる。とにかくボテッとは厳禁。また、色が付き始めるとどこに塗料が乗っているかが見えにくくなるので、照明を十分にしつつ、塗装したばかりの濡れてる様子を見ながら塗装作業を行うと良いと思う。塗り残しやボテッと塗料を乗せすぎてしまう事故もこれでかなり防げる。

それから、飛行機のプラモデルにおけるパネルライン表現は、凹モールドが凸モールドよりも良いとされてきた。飛行機モデルにおいては、パネルラインが凹モールドでありさえすれば他の部分の出来が少々アレでも十分に高評価が得られたのである。昔は金型加工のコストの関係から凸モールドも多かったのだが、現在ではほぼ全てのキットが凹モールドによるパネルライン仕上げとなっている。しかしながら、実際の飛行機のパネルラインは板と板の重ね合わせであることが多く、厳密には凹モールドも凸モールドもどちらも正解とは言えない部分がある。そう考えると、パネルラインを凸モールドで表現しているキットは、膨大な手間をかけて凹モールドに彫り直すのではなく、凸モールドのままそれらしい表現を目指すという方向性があってもいいと思うのである。凸モールドを凹モールドに彫り直すことを考えただけで、凸モールドの古いキットを敬遠してしまいたくなるが、古いキットの中にも作って楽しいキットは沢山あるのだからまずはそれを楽しんでしまえば良いと思う。

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