グレー一色塗りのフィギュアでいいんじゃないか?

やってみたこと

プラモデルの題材となる機械は人の使う道具であることが多く、そのためプラモデル作品として飾る時は機械のそばに人間を置いておくとそこに物語性が生まれる。ジオラマのように明確なストーリーをもたせたものでなく、機械の近くに人を立たせておくだけでちょっとした景色が生まれ、模型に魂が入ったかのように生き生きとするのだ。

一方で、フィギュアの製作にはそれなりの手間と時間がかかり、フィギュアならではの技術も必要である。ミリタリー系のジオラマ製作などでは、精巧に作られたフィギュア一体を製作するための手間は車両一両分に匹敵するとまで言われているが、本当にフィギュアを作りたい場合以外はなんとか手間と時間を節約したいものである。そのため、戦車のキットを買ったはいいが、戦車を完成させて満足してしまい付属のフィギュアはランナーから切り離しもしない、なんてことはよくある話だ。

考えてみればこれはもったいない話である。メカのプラモデルのそばにフィギュアがあったほうがいいのは分かっている、しかし、フィギュアをちゃんと(自分が作ったメカと釣り合う程度の完成度に)作るには手間と時間がかかる。メカを主としたいモデラーならその時間は別のメカに当てたいと考え、メカのプラモデルに付属しているフィギュアは作らないことも多いだろう。実にもったいない。

フィギュアの製作時間を短くして、必要最小限のクオリティでメカに添えることにしたい。そこで、フィギュアを単色塗りして開き直ってしまうのはどうだろうか?。成型色そのままだとフィギュアが締まって見えないから、黒子を演じてもらうつもりでつや消しの単色仕上げ。とりあえず、アクリジョンベースカラーのグレーで塗ったフィギュアを車のそばに置いてみた。

上の写真は車の脇にタイヤに関する作業をしているらしいフィギュアを置いてみたものである。フィギュアに手には工具も何もなく、車のサイズやタイヤ位置に合わせたポーズ変更はおろか、パーツの隙間埋めなどもやっておらず、最低限のゲート処理とパーティングライン処理をおこなっただけである。それでも、車の存在を意味づける最低限の役割は果たしている。ちなみに、フィギュアはフジミの1/24フィギュア・インテリアグッズセットである。このキットにはドライバーとレースクイーン、メカニックのフィギュアが入っているのだが、メカニックのフィギュアは1/24というには大きめでドライバーやレースクイーンのフィギュアと並べて置くには違和感があるのが問題点である。だが、そんな問題もグレーの単色塗りで全然気にならない。

この写真は、こちらの記事で作成したときのものだが、フィギュアを塗るのが面倒なときはこれもアリだと思う。もちろん、きちんと仕上げたフィギュアがあればなお良しではあるのだが。

単色仕上げのメリットは、なによりも時間と手間がかからないこと、そして、メカと対比する存在として仕上がる上に、意図的にそう仕上げたと思わせることも可能だからである。中途半端に塗り分けてしまうとかえって「惜しい」感じが出てしまい、手間をかけた(単色塗りの少なくとも2倍の手間と時間がかかる)割に逆効果となってしまうのだ。

作りかけのドールハウスキットに、中華製の激安フィギュアをあしらってみた。スタイルやポーズ等色々アレなフィギュアだが、グレーに塗って置いとくといい雰囲気に見える。つや消しグレー塗りに騙されている、だがそれでいい。

とりあえず、ランナーから切り取らないままフィギュアを捨ててしまうくらいなら、グレーに塗って適当に立たせてみてはどうだろうか?

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