
こんにちは、J.S.バッハです。

こんにちは、F.メンデルスゾーンです。

今回は、ロボットアニメブームの後半、1984年あたりからについて話をしようと思う。

うむ

前回、1983年を中心に語ってみたわけだが…

1981年にガンプラブームから始まったリアルロボットアニメブームは、1983年に夏至、そして夏を迎えたって話だったな。

そう、1982年まではアニメ作中に出たメカのプラモデルを出せば売れる時期だった。だからプラモデルメーカーは、かなり強気なラインナップ展開を計画した。ところが、1982年冬ごろから計画に下方修正をかけた、それが誰にでも分かる形となったのが1/100ウォーカーギャリア販売中止事件というわけだな。そして、これがブームのピーク、「夏至」というわけだ。
以後のシリーズでは、プラモデルメーカーはシリーズ展開に慎重になり、シリーズ後半のメカがプラモデル化されないということになる。そうは言っても、まだまだブーム全体としての熱量は依然として衰えておらず、1983年放映開始されたアニメは10月期の3本を数え、この年に放映開始されたアニメ作品数はブーム期間中最大となったんだ。

それら大量に放映されたアニメ作品のプラモデルシリーズがどうなったか。それが現れるのが1984年以降、というわけだな。
10. 秋の日はつるべ落とし

結論から言えば、1983年の前半に放映が始まった、ダンバイン、ボトムズ、オーガスのプラモデルの売上に匹敵する作品は、出てこなかったんだ。それでもバイファムは健闘したんだけどね、他の作品は相当に苦しかったはずだ。まあ、模型屋の棚の見た印象だけどね。

話はそれるんだが、模型屋の棚を見て、売れてる/売れてない、の判定ってのは具体的にはどういうものなんだ? 印象論的すぎて良くわからん。

定量的評価とはいかないんだが、大体こんな感じだな。
売れていないプラモデルは、いつ模型屋に行っても棚に置いてある。売れていないシリーズのプラモデルは模型屋の棚の一角を占領している。
一方で、売れているシリーズは単品が辛うじて残っている程度なので、棚の一角を占領するということがない。ましてや、売れているプラモデルは、店の入荷日を狙わない限り見ることすら出来ない。
1984年位になると、どんなプラモデルであれガンプラブームの時ほど入手には苦労しないけど、それでも出たばかりの最新キットは模型屋の入荷日に行かないと手に入れることは難しかったんだ。

それじゃ、毎日のようにプラモ屋通いをしていたのか?

学校の帰り道に模型屋に立ち寄ってはいたけど、プラモデルの入手に関してはちょっとした裏技も使っていたな。
学校からの帰り道で毎日のように顔を出していた模型屋のおじさんと仲良くなって、店に出す前の入荷品を見せてもらうことができるようになったんだよ。で、欲しい物は取り置いてもらって、帰宅後買いに来るってなことをしていたんだ。いつもじゃないけどな。

裏口購入か、ずるいな。

店のおじさんがどういう経緯でそういうことをしてくれるようになったのかは忘れてしまったけどね。
まあ、毎日顔を出して、時々ロボット以外の、飛行機のプラモとかもよく買っていたからお得意さんみたいなもんではあったんだと思う。まあ、子供の小遣いなんてたかが知れているから、店のおじさんにとってはあまり経済的なメリットはなかったんだろうけどな。
ただ、こういう裏技でもない限り手に入れることはおろか、見ることもなかったってキットがあったことも事実だな。ダグラムの1/72ビッグフットとブリザードガンナーは、一般の店頭では見たことすらない。当然のように入荷日チェックをしていたにも関わらずだ。

熱い時代だな。今なら通販でポチッとなするだけなんだが。

先に話を進めようか。
1983年に放映開始したリアルロボットアニメのうち、プラモデルシリーズがある程度売れたものは半分以下だった。そして、それなりに売れたシリーズにしても、シーズン後半のメカがほとんど発売されないなど苦戦していたんだ。
そして、1984年に入り、新作のリアルロボットアニメが作られるんだな。

エルガイム、ゴーグ、ガリアン、サザンクロスだな。

この頃になるとあからさまにリアルロボットアニメの本数自体が減っているな。
放映順だとまずは「重戦機エルガイム」だな。

エルガイムといえば、メカとキャラのデザイナーである永野護だな。

そう、エルガイムもある意味後世に少なからず影響を与えた作品と言えるんだが、作品そのものというよりは永野護という天才を世に出した、という文脈で語られるべきものかもしれないな。
エルガイムにおいて、メカとキャラの両方のデザイナーとして世に出た永野護が、ストーリーテラーとしての才能もあるということで後にファイブスターストーリーズ(F.S.S)を生み出すことになる。エルガイムに登場するロボット(ヘビーメタル)もカッコいいんだが、F.S.Sに登場するロボット(モーターヘッド)は更に洗練されてえらくカッコいいんだな。それで、いくつかのガレージキットメーカーからガレージキットが発売されるようになるわけなんだが….

F.S.Sのガレージキット発売は1987年あたりからだな。とりあえずその話はリアルロボットアニメブーム以降のこととして、話を1984年に戻そうか。

エルガイムはダンバインの後番組としてスタートしたんだ。ダンバインに登場した妖精がエルガイムにも登場するなど、当初はダンバインの舞台であるバイストン・ウェル(異世界)とエルガイムのペンタゴナワールド(異星系)との関連性を匂わせる制作者サイドの発言があったが、実質的に別世界の別作品だな。初期の作品の雰囲気はザブングルに立ち戻った雰囲気だったが、後半はシリアスな展開になる。

エルガイムに登場するヘビーメタルは当時どう受け取られていたんだい?

ダンバインの後だからね、もはや直線基調のデザインでなければリアルでない、なんてことはないのさ。マスクをしたような顔、瞳のある目、リアルロボットというよりはスーパーロボット的な特徴を持ちながらも、メカとしてのデザイン的な工夫もあってリアルロボットとしての説得力はあったと思う。

リアルな設定でスーパーロボット的なものを、という感じなのかな。

スーパーロボットそのものを志向していたわけではないんだろうけど、単純に工業製品的なロボットとしてデザインしたわけではないんだ。
工業製品的なロボットはB級として一段落ちるロボットとしてクラス分けされ、ハイスペックなA級は手作りによる一品物という設定だな。F.S.Sでハッキリ「名工による芸術品」という位置づけが打ち出されるが、エルガイムではそこまで明言されていないはずだ。

兵器であるロボットが一品物の芸術品?

甲冑や鎧のようなイメージだな。だから、デザイン的にも甲冑や鎧を思わせるものがいくつもある。材質的にも、セラミックみたいなもので倒れると割れてポロッと落ちるとか、表面に金が貼ってあるとか、オフィシャルサイドからコメントされてる。いわゆる工業製品、機械のようなリアルさとは別のものだとアピールしたかったんだろうな。

工業製品でないのにリアル、か。

工業製品=リアル、ではないよ。時計を例にあげれば、現在工業製品として作られる時計がほとんどだが、依然として職人が手作りで製作している時計もある。モノとしてのリアルはどちらも変わらないでしょ。
それに、ダンバインのところでも話したけど「作品世界の中で普通に存在しうるか?」という視点でリアルという考え方もある。ただ、機械としての説得力をもたせるようディテールに凝った設定を導入している。
当時のロボットは、デザイン画どおりの形にすると関節がほとんど曲がらない、まあアニメだとグリングリン動くけどね。そのあたりをボトムズでは部分的に解決を試みているけど、エルガイムではもっと徹底的に検討されたんだ。
二重関節の設定や、意図的に関節位置を人間と異なる位置に持ってくるなど、人間ができることをできるだけロボットができるようデザイン側で工夫したんだな。とはいえ、当時のエルガイムのプラモデルが十分な可動範囲を持っていたかと言うと必ずしもそうではないんだがね。

これまでは、デザインはデザイナーがやるけど、それをプラモデルにして動かせるかどうかはそれまではデザインの範疇ではなかったんだな。デザインの時点で可動が成り立ち得るかを検討するというケースはあまりなかったかもしれん。

絵に嘘をつかせないデザイン、というやつだな。
エルガイムのデザインのありようについては、こういう言い方もできる。これまでのリアルロボットアニメは、リアルありきのデザインのために無骨なフォルムを選択することが多かった。エルガイムでは今までにないスマートなシルエットをもたせつつ、二重関節などのディテールの設定を組み込むことでリアルを成立させたんだな。
そのため、エルガイムの後番組である「機動戦士Zガンダム」では、スマートなモビルスーツが沢山登場することになる。

スマートなフォルムというと、エルガイムのプラモデル展開が気になるな。細身で曲線的だとプラモの開発サイドがついてこられないんじゃないか? ダンバインのときみたいに。

そこは正直苦しかった。B級ヘビーメタルはどれも合格ラインを超えているんで、模型製作サイドは健闘したと言えるんだが、やはりA級は厳しいものが多いね、1/144だとバッシュ、アシュラ・テンプル、エルガイムMark IIあたりは辛い。エルガイムでキット化されたA級H.Mは多くないからおよそ半分が辛いってところかな。それでもオージェやグルーンのような当時なかなか受け入れられにくいデザインのH.Mもうまく立体化していたから健闘したと言うべきだと思う。
エルガイムのプラモデルで特筆すべきはむしろ1/100シリーズの方だな。といっても、エルガイムとオージェとエルガイムMark IIしかキット化されてないけどね。
当時、小スケール500円、大スケール1000円くらいのラインナップを展開させるのが普通だったが、エルガイムは小さい方1/144が500円で、大きい1/100は2000円だったんだな。オージェとMark IIは2500円だ。

1/100は何だってそんなに高いんだ? 小学生には買えないし、中学生だって厳しいだろう。

エルガイムは二重関節だけでなく、すねのランダムスレートが開くなど、ディテールのギミックが結構あるんだな。これを全部再現しようとすると…

通常の2倍位の価格帯になってしまう。

いやー、正直そうとも言えない部分があって、1000円を1200円くらいに収めることも出来たんじゃないかと思う。ただ、金属や軟質部品を多用し、フレーム構造まで再現したハイエンド製品として出したんだな。今にして思えばこれはかなりの冒険だったと思う。

ある意味メーカー側の暴走とも言えるわけだな。エルガイムのムーバブルフレームというコンセプトはZガンダムにおける一部のモビルスーツにも引き継がれ、現在に至るというわけだ。そういえば、エルガイムの1/100の内部構造の再現って、後の1/100MGシリーズにもつながるものだと言えなくもないわけか。

フルアクション(エルガイムの1/100シリーズのこと)とMGでは10年の空白期間があるから、コンセプトが似てるだけでつながっているとは言えないと思うけどね。
ところで、他のアニメについても触れてみようか。と言ってもプラモデルの売上げという点で他のシリーズは若干小粒なんだが。

放映順から言うと「巨神ゴーグ」と「超時空騎団サザンクロス」だな。

「巨神ゴーグ」の方は、プラモデルがタカラから出ていたこともあり、季刊誌「デュアルマガジン」でも度々触れられていたので多少は知っているし、アニメも何度かは見たんだが、結局はプラモデルを買うことはなかったな。

当時は、ボトムズとエルガイムくらいしかプラモに手を出してなかったんだろう? その気になればプラモを買えたんじゃないか?

ボトムズのシリーズ展開も早々に終わってしまったから、その気になればゴーグを買うことも出来たんだろうけどね。この頃になると、エルガイムと、その他は航空機や戦車、いわゆるスケールモノに戻りつつあったんだな。

ゴーグは出来が良くなかったのか?

いや、模型屋で箱の中身を見た限りでは十分合格点だったよ。買わなかった理由は単純で、ゴーグを見てなかったから。あんまり記憶がないんだけど、放映時刻がゴールデンタイムに絡んでいた気がする。
今みたいに、ビデオレコーダーが各家庭にあるのが当たり前で、TV番組を録画して後で見るのが当たり前ってわけじゃなくて、TV番組はリアルタイムで見るのが当たり前だったから、ゴールデンタイムに絡むとまず見られないんだよ。家族で一緒に夕食をとる時は、皆で見られるドラマとか歌番組とかみるだろ? チャンネルの選択権だって子供にあるわけじゃないから。

そうか、面白い/つまらない以前に見ることが出来ない事情があるのか。

島で発掘された自分の意志を持つロボット、みたいな自律ロボットという設定を当時の自分が受け入れたかも怪しいもんだけど、それ以前の問題で見続けることが出来なかったんだな。で、プラモデルに対する関心もなかった、と。
ゴーグのプラモデルは、模型屋でも比較的いつでも目にする感じだったな。それに、ゴーグは登場するロボットの種類も多くなかったこともあってシリーズと言うにはアイテムが少ないと感じていた。

サザンクロスも放映時刻の問題はあったんだよな。

自分の場合はそう、マクロス、オーガス、サザンクロスはいずれもリアルタイムではフォローしていなかった。
ただ、自分のケースは置いといて、マクロスはかなり売れたし、オーガスもそこそこ売れたのに対し、サザンクロスは全然という印象だった。そもそもロボットじゃなかったしね。

美少女が甲冑みたいなのを着て戦うんだっけ? あれはパワードスーツなのか?

よく知らないけど多分そんな感じ。今、こういうコンセプトのアニメがあればそれなりにウケると思うんだが、当時は早すぎたのかもね。

10月から放映が始まった「機甲界ガリアン」はどうだったのだ?

ガリアンはタカラからプラモデルが出るってんで、一応はチェックしたんだけどね。中世チックな世界で、遺跡から掘り起こされたメカって設定もそう悪くはないと思ったんだけど、個人的にはプラモデルが欲しいと思えるものではなかったかな。
プラモデルと言えば、人馬兵「プロマキス」だけは興味あったけど、結局買わなかったな。あと、劇中での瞬光弾の描写が良かった。
当時、なんとなく感じていたのは、世界観とロボットのミスマッチ感かな。オーラバトラーを見ちゃったというのもあるんだろうけど、中途半端にメカっぽいのが逆に浮いていたように思う。プラモデルは、模型屋でチェックした印象だと悪くなかったかな。特に、水機兵アゾルバのキットは、難しいラインをうまく捉えていた好キットだったように思う。

そう聞くと、色々惜しい感じがするけどな。

今見ると面白いかもしれないな。ガリアンは、最初数話と最後しか見てなくて、中世の城から王子が逃されてガリアンに出会って、みたいな展開がいきなり宇宙的になっていてびっくりした記憶がある。改めて通してみると面白いかも、と思うのはそこかな。何があったんだ、と。
そして、ガリアンを最後にタカラはリアルロボットアニメから撤退するんだ。

リアルロボットアニメブームを牽引したメーカーの一つが…寂しいもんだな。

タカラの撤退は、リアルロボットアニメのブームの終わりを告げるものだったのかも知れない。以後のシリーズの模型化は、バンダイが孤軍奮闘することになるんだ。
11. 後夜祭~祭りの後

1985年になると、「機動戦士Zガンダム」と「蒼き流星SPTレイズナー」の2本のみとなるんだが、どちらもロボットデザインという観点からするとガンプラブームからこれまでの集大成的な作品と言っていい。

集大成と言っても両者でかなりロボットの印象が違う気もするけど。

「蒼き流星SPTレイズナー」シリーズのデザインを手掛けた大河原邦男の集大成的な意味合いが強い。ガンダムから、ダグラム、ボトムズの各メカの特徴、例えば顔のある頭部にキャノピーのついた操縦室、ボトムズのラウンドムーバー状のバーニア群、バイファムのスリングパニアーなどを散りばめたデザインが特徴だな。
「機動戦士Zガンダム」は、ガンダムのモビルスーツのデザインラインを基本としながら、リアルロボットアニメのデザインを手掛けた何人ものデザインが入っているのが特徴だな。ムーバブルフレームという設定や、バスターランチャーライクな大型火器なんかはエルガイムからの設定だしな。その分、デザインの統一感には欠けるんだが、多様なデザインが同居しているのがZガンダムシリーズのメカデザインと言える。

プラモデルの売上的にはどうだったんだろう?

この頃になると、どちらのプラモデルも比較的店頭で見るようになるのでなんとも言えんな。まあ、Zガンダムのほうがずっと沢山売れていたんだろうけどね。
Zガンダムはガンダムと同様1/144と1/100でシリーズ展開していた。この頃になると1/144でもポリキャップが当たり前に使われていて、部分的に後ハメ工作もできるようになっていた。1/144ガルバルディβを作った時は時の流れを感じたね。
レイズナーは設定身長がダグラムと同程度の10mくらいなので、1/100と1/72でシリーズ展開したんだが、ダグラムでも小さい方が1/72だったから全体的に小さい印象だね。1/72では手持ちの火器など一部を金属化して、その分値段が高かった印象があるな。

レイズナーのプラモは作らなかったのか?

レイズナーの放映は木曜日の17:30~で、レイズナーそのものを見ることが出来なかったんだよ。見てないアニメのプラモを買うことはなかったからなぁ。

レイズナーは、年代設定が1996年で、後半が1999年だな。当時はあと10年くらいで人型のロボットが活躍する世の中になっているかも知れない、と思われていたのかもな。
前半と後半の雰囲気の違いというか、エイジがケンシロウみたいになって帰ってくるのが面白いな。キャラ違うだろって。

レイズナーでキャラを語るならゴステロ様だろ。と、そう思えるのはリアルタイムではなくて後になって見たからかもしれないけどね。
さて、1985年に2本に減ってしまったリアルロボットアニメは、1986年になると「機動戦士ガンダムZZ」一本になってしまう。
Zガンダムの登場モビルスーツの中で尖ったデザインが、更に尖った方向に進化したのがこのシリーズと言える。ただねー、この頃になるとロボットのプラモデル買わなくなっていたんだよね。

じゃ、語ることもなさそうなのでこの辺でお開きにするか?

あいや、もちょっと。ガンダムZZの後番組として放映された「機甲戦記ドラグナー」だけど、これはガンダムとは別の形でリアルロボットを復活させようとした意欲作なんだ。
リアルロボットアニメブームの作品で、今の若い人に見せる作品を一本だけ選べ、と言われたらこの作品を選ぶかも知れない。そのくらいの良作なんだ。

リアルロボットアニメを語るのに、なぜブームが去った後の作品を選ぶんだ? ダグラムなりザブングルなりのほうがふさわしい気もするんだが。

リアルロボットアニメのブーム真っ最中の作品は、多様化の最中だったこともあり、どの作品もブームを形作る一つのピースに過ぎないんだ。もし、5作品くらい選べるのであればブーム真っ最中の作品から選ぶだろうけど、選べるのが1作品となると事情が異なる。1つの作品の中にブームの様々な要素が入った、まとめ的な作品を選ばざるを得ない。そういう点でドラグナーは大変バランスが取れているんだ。しかも、カッコいいよ、これ。

なるほど、全てが終わった後だからこそのまとめ作品ってことだな。後追いだからできることもある。

グラドスの蒼き鷹がカッコ良すぎて1/144でファルゲン買っちゃったからね。当然「ひさし」を伸ばすよう改造して。

で、ドラグナーはどう凄いんだ?

ストーリーは、原点回帰的な狙いも合ったのだろう、意図的に初代のガンダムに近いものになっている。宇宙に進出を初めた人類だが、一部勢力が月に陣取って独立戦争を仕掛けるという。ニュータイプとかそういうのは出てこないけどね。
ロボットはミリタリーチックなものではなく、航空機的なカッコ良さを狙った演出が特徴で、電子戦専用機みたいな機種も設定されている。試作機である主人公機よりも、それらの戦闘記録をフィードバックした量産機の方が総合戦闘力で優れるなど、工業生産品的なリアルも取り入れられた点も、これまでにはなかったものだった。

航空機的なカッコ良さってのは、マクロスやバイファムでも取り入れられていたけどな。

その他、他の作品で突っ込まれそうな部分には、前もって設定がなされている。例えば、試作機に偶然乗り込んだ民間人が、なぜそのまま正式なパイロットになってしまうのか。初代のガンダムにおけるアムロのケースだな。ドラグナーも試作機に民間人である主人公が乗り込んでしまうというアクシデントから始まる。そして、その時に主人公がロボットに生体認証されてしまい、以後主人公でないとロボットが動かせない状況になってしまい仕方なく主人公を正パイロットとして鍛える、みたいな話になるんだ。
そういう意味で、ドラグナーはよく検討されよくまとめられた作品だ。主人公以上に主人公的な敵キャラの存在もいい、思わずファルゲンのプラモデルを買ってしまうくらいいい。後半は主人公を食う勢いで活躍するのもいい、ラストシーンで空にカット・インされるのがライバルキャラというのもいい。思わずファルゲンのプラモデルを買ってしまうくらいいい。

で、プラモデルのシリーズは売れたのか? 他の皆は思わずファルゲン買ったりしたのか?

厳しかったんじゃないかな、実際のところ。
プラモデルを作る子供の数が1985年あたりからガクッと減ったんじゃないかと思うんだ。確認はしていないけど。自分と一緒にドラグナーで盛り上がったクラスメイトはモデラーではなく、プラモデルを作ったのは自分だけだったし。個人的には1/100でファルゲンが出ていればなぁ。
この時代ほとんど唯一のリアルロボットアニメで、それでもプラモデルの売上が厳しくなった原因と思われるのが…

ファミコンだな。発売開始は1983年だったか。

そう、当時のゲームセンター並みのグラフィック性能を持つゲーム機が15000円ほどで買えてしまうんだよ。ソフト交換のできるゲーム機(パソコンのローエンド機的な位置づけの機種も含む)が大体5万円くらいだから、そりゃ皆買うわなって勢いで普及したんだ。
その上、ライバルはファミコンだけじゃないんだよ。当時性能向上しつつ価格が下がったパソコンが徐々に家庭に入ってきた。ある程度のスペックを持ったパソコンが10万円くらいで買えるようになってきたんだ。そして、パソコン用のゲームの中でもヒット作が出てくる。1984年に発売されたハイドライドやザ・ブラックオニキス、そして1985年のザナドゥなど和製RPGの大ヒット作が目白押しだったんだな。

それまで、子供達の持つリソースが、プラモデルからゲームに移ったということか。プラモ側で何か一矢報いることは出来なかったのか?

ロボットアニメのプラモデルではないが、ミニ四駆のブームがそれかもしれないな。それでも、かつてのように全ての子供がプラモデルを作る、という時代に戻ることは2度となかったんだよ。

ま、ゲームは楽しいからな。でも、何かを作るってことに楽しみを見出す子供だってある程度はいるだろ?

ある程度はな。それに、何かを作ることが好きな子供の全部がプラモデルに行くわけじゃないんだ。昔は手軽なものづくりってことでプラモデルを作る子供は多かったんだが、今は色々なものが手軽になって、必ずしもプラモデルでなくても良くなったんだ。
プラモデルだけを見ているとそうでもないんだが、子供、中高生くらいの趣味という観点で見れば、いい時代になったとも言える。ロボットが好きな子供が、ロボットのプラモデルしか作れなかった昔と違って、今は努力次第で本当に動くロボットが作れるようになったのだから。

リアルロボットアニメがなくても、リアルにロボットが作れる世の中になったってことだな。

モビルスーツが活躍する世界には至っていないが、アムロみたいな少年がハロみたいなロボットを自室で作ってしまえるくらいにはなってきたわけだ。それだけで十分に世の中変わったと言えるんじゃないかな。
それと、 我々の世代的には、 組み立てるだけでカッコいいガンプラが大量に溢れる世界がやってきたってことでまあヨシとしようか。
ハセガワが飛行機模型の技術を全投入してバルキリー作ったり、マックスファクトリーがダグラムのシリーズ展開をしたり、まだまだリアルロボットの灯は消えてないぞ、と。

当時中学生だった我々がオヤジになっただけでなく、製品の送り手側の中の人に我々と同世代の人間が大量に入り込んだということでもあるな。

とまあ、こんなところでリアルロボットアニメの思い出話を終わりにしようと思う。
それでは、またの機会に。

それでは、また会おう!


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